ACSL、国産ドローンSOTEN(蒼天)を活用した ゴルフ場の芝の生育・維持管理のための植生調査に成功
- SOTEN(蒼天)のワンタッチで切り替え可能なカメラの1つであるマルチスペクトルカメラは、近赤外画像撮影によりNDVI(正規化植生指標)測定が可能
- マルチスペクトルカメラを用い、ゴルフ場の芝における植生調査を行う実証実験を実施し、成功
株式会社ACSL (本社:東京都江戸川区、代表取締役社長:鷲谷聡之、以下、ACSL)は、国産の小型空撮ドローンSOTEN(蒼天)に取り付け可能なカメラであるマルチスペクトルカメラを用い、ゴルフ場の芝における植生調査を行う実証実験を実施し、成功しました。
■背景
ゴルフ場では、グリーンや芝生の環境が常に整えられている状態であることが求められます。グリーンキーパーと呼ばれる管理者が、日々コースを見回り芝生のコンディションなどを確認する必要がありますが、人手による作業のため、作業の効率化をしたい、芝生の生育状況のデータを蓄積したいといったニーズがありました。
植物などの生育状況については、植物による光の反射の特徴を生かし簡易な計算式で植物の量や活力を把握する植生指数と呼ばれる指標を、衛星画像を用いて求める手法が研究されてきました。代表的な指標として、NDVI (Normalized Difference Vegetation Index:正規化植生指標)があげられます。数値は-1~1の範囲で表され、-1に近い程植生は悪く、1に近い程植生は良いとされます。
しかし、衛星画像の場合、1ピクセルの大きさがメーター級の地上画素寸法(1ピクセルに対する地上の寸法)になり、雲に覆われた場合や衛星の軌道によって画像データが得られないという課題がありました。一方、ドローンを用いたデータ取得では、1ピクセルの大きさがセンチメートル級となり、曇天時でも撮影を可能とするといった特長があり注目されています。
■実証実験について
SOTEN(蒼天)は、小型空撮ドローンでは初となるカメラのワンタッチ切り替え方式を採用することで、標準カメラの他、赤外線カメラ+可視カメラ、マルチスペクトルカメラ、光学ズームカメラとの交換が簡単に行えます。本実証では、近赤外画像撮影によりNDVI測定可能なマルチスペクトルカメラを使用し、撮影した画像により芝の植生調査が可能か検証しました。
手順
1.飛行ルート作成画面の航空地図上に対象エリアを設定する。
2.撮影パラメータを設定する。
・オーバーラップ(フロントまたはサイドのラップ率、今回は共に75%に設定)
・グランドレス(1ピクセル辺りの長さ、今回は4cmに設定)
・調査前/内の速度(調査範囲外と内の飛行速度、今回は共に4.5m/sに設定)
3.設定された自動飛行の経路に従って撮影飛行
■結果
SOTEN(蒼天)で撮影した各バンドの画像をPix4D Mapperを使用してNDVIのオルソモザイク画像へ処理した結果が右の画像となります。NDVI が-1に近いほど赤く、1に近いほど緑に表示されます。このようなデータを継続して蓄積していくことで、芝の生育・維持管理に活用できる可能性があります。
本実証実験は、エスケージー株式会社およびACSL代理店の岩本石油株式会社の協力のもと、実施いたしました。
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